相続登記の戸籍謄本
こんばんは。司法書士行政書士の寺本です。
相続登記を申請する際に一般の方でわりとしばしば間違えておられるケースとして、亡くなった方の最後の戸籍謄本(除籍謄本)1枚だけを持って来られて、「書類はこれでいいでしょ?」と思われていることがあります。
残念ながらそれでけで登記申請しても法務局での申請が通ることはありません。
相続登記に必要な戸籍としては、亡くなった記載のある除籍謄本ももちろん必要ですが、それに加えて、平成時代に戸籍に関してはコンピュータ化されたため、戸籍の内容に特に変化がなくとも、改製されたものができています。
古い方は改製原戸籍と言いますが、めちゃめちゃざっくり言えば、ごちゃごちゃ何やらたくさん書いてあって見づらいものからさっぱりとして見やすい形になったというようなイメージです。
大方の相続では改製原戸籍と改正後の最後の戸籍はほぼ出てきます。
さらにその原戸籍から前にさかのぼると、転籍などで本籍地が移動(たとえば春日井市から北名古屋市に本籍を変えたなど)があればさらに前に前にと遡って取得する必要があります。
現状では自治体同士で繋がっていないため、1つの自治体で全部の戸籍を取得はできませんので、各自治体にそれぞれ請求をして集めることになります。
さらに前へ遡ると結婚されている方であれば当然、結婚前の戸籍、両親の戸籍に入っていたケースであれば亡くなった方が生まれるまで、その方の両親の戸籍、さらにその両親がその親の戸籍に入っていた時に亡くなった方が出生していればその戸籍、とさらにさかのぼる必要があります。
現行民法では結婚したら親の戸籍から独立して新たに戸籍が作成されるのですが、昔の旧民法の時代、家督相続という制度の時代があり、結婚で戸籍が独立したわけではないのですが、難しい話になるのでここでは割愛します。
このような形でシンプルに一つの自治体への請求で戸籍集めが済む方もいれば、ものすごく複雑化してとても時間や労力のかかるケースもあり、「自分でできるか?」と聞かれたら、ケースによるとしか答えられません。
相続人が一人だけで、亡くなった方もずっと戸籍の移動もなく一つの自治体だけで戸籍の請求が済むなど簡単に済むケースもありますが、多くはなかなかそんなにシンプルではないので、別の人からの経験談は正直あまり参考にはなりません。
今回、戸籍に関しての話を簡単にざっくり書きましたが、もちろん、戸籍謄本だけではなく、他にもいくつもの書類が相続登記には必要になってきますので、全部集めるのにもそれなりに手間と時間はかかることになります(>_<)。
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